「教場」と「未満警察」 ~『警察学校』の違いについて~

警察監修としての「教場」と「未満警察」

「教場Ⅱ」楽しんでいただけましたでしょうか?
実際ご覧になった方がどう感じられるのかが、心配ではありましたが私の周りでは評判も良く、監修で携わった身としては一安心してます。

普段は、あまりこのようにひとつの作品について何度もブログを書くことはありませんが、どちらの作品も新型コロナウイルス感染症拡大というこれまでになかった環境での撮影、長期間にわたる訓練において自身が警察監修として、また制作に携わる一人として印象に残ることが多い現場になりましたので改めて振り返ってみたいと思います。

ご覧になられた方は、警察学校を題材にした作品であり、神奈川県警が舞台であるという共通点から「教場」と「未満警察」を比べている方が多いようでしたので、両作品の警察監修として、ふたつの作品の共通点や違いを話していきます。

原作の舞台が日本の「教場」と韓国が舞台の「未満警察」

ふたつの作品にはそれぞれ原作があります。
「教場」は長岡弘樹さんによる小説、教場シリーズから抜粋され映像化されています。
未満警察はサブタイトルにもある「ミッドナイト・ランナー」という題で韓国で映画化をされています。

ですので、どちらもある程度原作に忠実であり、忠実であればあるほど「未満警察」は日本の警察機構との仕組みや違いを調整しなければならないということになります。
私も韓国の「ミッドナイト・ランナー」を見ましたが指導方法や学習期間等が日本とは全然違うんだなと思いました。

リアルの「教場」とエンタメの「未満警察」

監修的に「どうしよう」と思ったのはどちらも同じ神奈川県警の設定になったところです。
しかも主演がどちらも同じ事務所の方という…
しかし、両作品に共通して言える事はどちらの学生の方達にも厳しい訓練を重ねてもらった上でそれぞれの世界観に身を投じてもらっているという事です。

細部にわたる動きまで細かく決め、リアルを追求した「教場」と原作である韓国版の疾走感とエンターテイメントの部分を追求した「未満警察」両作品が目指すところを差別化できたことが、ふたつの作品が人気になった理由のひとつではないかと考えています。

ここまで言っておきながらなんですが、教場と未満警察「どちらがリアルか」という議論になった場合、結論としては「どちらもリアルであり、リアルではない」です。
どちらも作品をより良いものにするためのフィクションはありますので…「こんなこと実際無いよな」と思うシーンがあったとしても、ストーリーを純粋に楽しんでいただけていたらありがたいです。

私がブログで「警察監修」について書こうと思ったわけ

最後に、2020年の後半あたりからでしょうか…監修作品放送や公開のお知らせだけでなくてもう少し深い内容を書くようになったのは…。
そんなに大したわけではないのですが…やはりエンターテイメントの仕事に携わる人間として、このブログを通してテレビや映画に興味を持ってくれる人が少しでも増えればいいなと思って書いてます。

これまでにも「ドロ刑」の原作監修や自身の著書、番宣への出演で警察監修の内容や撮影の裏話等お話しをさせていただく機会もあったのですが、視聴者の方からすると警察モノって難解だったり…いつも出てくるので当たり前のシーンをなんとなく見てしまったり…だと思います。
そんな部分をより面白く、楽しんで見られるようにという思いから始めてみました。
見る人が増えれば、作品はきっと増えていくと思うので…そうすれば更により良い作品が生まれて、また皆さんに新たなものを届けられると考えています。

あとは、単純に警察モノの作品を通して、警察への理解や尊敬を深めてほしいという想いがあります。
警察官という仕事に興味を持ち、知ってもらうのにはこの上ない方法だと思いますので。
もちろんフィクションであり、時には極悪非道の警察官や現実には起こりえない事件の場合もありますが、それでも警察監修として皆さんにお伝えできることが増えていけばと思います。

警察監修・警察考証・警備監修
古谷謙一

これを読むと警察ドラマの理解が深まり、ドラマがさらに楽しめます。